元美容師で、いまは髪にまつわる記事を書いている坂巻透です。
私自身、30代の終わりに頭頂部が薄くなり始め、いまは部分かつらを使っています。
使い始めた頃にいちばん気が重かったのは、社員旅行の温泉でした。
大浴場で外れたらどうしよう、と考えるだけで行くのをためらったものです。
先に結論を書くと、着けたまま入れるかどうかは「どうやって固定しているか」でほぼ決まります。
装着方法で答えが変わる
かつらの留め方は、毎日付け外しする「着脱式」と、サロンで固定して1か月ほど着けっぱなしにする「連続装着」に分かれます。
温泉との相性を整理すると、次のようになります。
| 装着方法 | 湯船に浸かる | 着けたまま頭を洗う |
|---|---|---|
| ストッパー(金具のピン) | 浸かるだけならおおむね可 | 不可 |
| 両面テープ | 浸かるだけならおおむね可 | 強力なテープなら可 |
| シリコン装着・編み込み装着 | 可 | 可 |
着脱式の人は、湯船には入っても頭は洗わない、と決めておくと安心です。
私も着脱式だった頃は、髪を洗うのは部屋に戻ってからにしていました。
旅行や出張が多い人は、連続装着を検討してみる価値があります。
インクリーズヘアーでは、シリコン装着と編み込み装着は1か月〜1か月半取り外しが要らず、旅行先の温泉もそのままでよいと案内しています。
固定方法や製品の違いは、極薄かつらで知られるインクリーズヘアーの公式サイトで確認できます。
大浴場で気をつけたいこと
私が調べた範囲では、かつらを着けたままの入浴を禁じた公的なルールは見つかりませんでした。
ただし、髪の扱いには基本のマナーがあります。
環境省の温泉地の多言語化促進マニュアルには、「長い髪はお湯に浸からないよう、髪ゴムなどで束ねましょう」と書かれています。
かつらの毛も、周りから見れば髪です。
毛先を湯に浸けないことは、自毛と同じように守りたいところです。
着けたまま洗う人は、湯上がりに次の点を意識してください。
- 毛流れに沿って指の腹で洗い、泡が残らないようよくすすぐ
- タオルでこすらず、軽く押さえて水気を取る
- テープやシリコンは湯でゆるみやすいので、手で押さえ直す
- 濡れたまま寝ず、固定部分までドライヤーで乾かす
サウナと肌荒れには注意
消費者庁の注意喚起「サウナ浴での事故に注意」によると、サウナ室の多くは室温が50〜100℃に設定されています。
同じ資料は、金属類を外すことや、身につけた金属製の装飾品が熱くなるおそれにも触れています。
金具のストッパーで留めている人は、この点を頭に入れておいてください。
毛の素材も見ておきたいところです。
熱に強くない人工毛は、ドライヤーの温風で縮れることがあります。
自分のかつらが耐熱かどうか、購入先に確かめてから入るのが確実です。
もうひとつは肌です。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、接着剤の成分がかぶれの原因になることがあると説明しています。
また環境省の掲示基準には、肌の弱い人は酸性泉や硫黄泉のような刺激の強い泉質では、湯上がりに温泉成分を洗い流したほうがよいとあります。
テープの跡が赤くなっている時期は、長湯を控えておくと安心です。
まとめ
かつらを着けたまま温泉に入れるかどうかは、装着方法でほぼ決まります。
着脱式なら湯船までにして、髪を洗うのは部屋で。
連続装着なら、洗髪まで普段どおりにできます。
私も今では、温泉旅行の誘いを断らなくなりました。
不安な人は、次の旅行の前に一度、購入先へ相談してみてください。



